日帰りポリープ切除手術
ポリープを早期発見・早期切除することは、大腸がん予防のために有用です。当院では発見次第、当日で切除できるよう心掛けています。
日帰り切除の安全性
具体的には、サイズが大きい、がんの疑いがある、深層に食い込んでいるといったポリープに関しては、連携している大学病院などの高度医療機関をご紹介してスムーズに治療を受けていただけるようにしています。
大腸がんを有効に予防するために
多くの大腸がんは、良性の大腸ポリープの肥大を機に発症し、そこからさらに重症化すると考えられています。そのため、将来の大腸がんを防ぐことにおいて、良性の大腸ポリープを早期切除することはかなり重要です。
大腸ポリープの種類は複数あり、「腺腫（せんしゅ）」という大腸ポリープはがん化する可能性が高いといわれています。そのため、がん化リスクが高い腺腫の疑いがある大腸ポリープは、速やかに切除するようにします。
切除方法
コールドポリペクトミー
「コールドポリペクトミー」とは、電流を流さない切除方法を指します。電流を通さず、スネア（金属製の輪）にポリープをひっかけて切除をするので、出血や穿孔のリスクが少なく済む方法です。比較的小さなポリープに対して行う切除方法ですが、一度に複数のポリープを安全に切除することができます。
通電しないので、「心臓ペースメーカーや金属製ステントを装着している方」、「抗血栓薬を内服されている方」にも安心して実施できる方法です。
内視鏡的粘膜切除術（EMR）
内視鏡的粘膜切除術とは、平坦型または大きめのポリープの場合に行う切除方法です。 ポリープの根元の粘膜へ薬液を注入して、ポリープを持ち上げていき、その後にスネアにポリープをひっかけて高周波電流を流し焼き切ります。ポリープを切除しても、筋肉より深い層（腸に穴があいてしまう層）まで通電してしまうリスクを回避することができます。 切除後には医療用クリップを用いて、止血していきます。
大腸ポリープの内視鏡切除後の合併症について
電気メスを用いた切除方法では、血管を焼きながらポリープを切除するため、切除中の出血が少なく済むメリットがあります。しかし治療後からしばらく経過すると、切除した部位からの出血や、「穿孔」などの合併症が起きてしまうことも稀に起きます。
この合併症は切除後から2～3日以内に起きやすいのですが、1週間経過すると、発症する確率は減っていきます。
ポリープ切除後の食事と注意点
- アルコールには血流促進の作用があるので、1週間ほど禁酒してください
（ノンアルコールのビール・カクテルの摂取は可）。 - ベルトや着物の帯などでお腹を締めあげる格好や、重い荷物を持ち続ける仕事（腹圧がかかる仕事）、ランニングやサッカーなどの激しい運動は1週間ほど控えましょう（通常の日常生活やお仕事は普段通り行っても大丈夫です）。
- 治療期間を確保するため治療後の1週間は、「長時間の車の運転」や「飛行機などを使った遠出」などの予定を避けてください。
- 治療日の翌日からは入浴しても問題ありませんが、治療当日は湯船に浸からず、シャワーで洗う程度でお願いします。
切除日の当日は消化の良い飲食物を摂取し、熱いものや香辛料のきいた料理は控えてください。当院では、ポリープ切除後の方には検査後食の摂取を推奨します。
