胃カメラとは
正式には「上部消化管内視鏡」といいますが、世間ではよく「胃カメラ」と呼ばれています。検査できる範囲は咽頭・食道や胃・十二指腸といった消化管だけではなく、喉頭(喉仏のあたり)や声帯の観察もできます。
スコープの先端に付いたCCDという超小型カメラと光源装置を活用して、これら器官の粘膜状態をこまかく観察するのに必要な医療機器です。当院では鼻からスコープを入れていく「経鼻内視鏡検査」や眠って検査をおこなう「鎮静下内視鏡検査」を行うことで、患者さまの痛みを極力減らしていきます。
当院の胃カメラの特徴
検査を楽に受けられる「鼻」からの胃カメラ検査
従来の経口内視鏡は嘔吐反射を起こす舌根部に触れてしまうので、苦痛を伴うものでした。 しかし近年、技術の進歩によってスコープが細くなってからは、鼻から内視鏡を挿入することが可能になりました(経鼻内視鏡検査)。 鼻から内視鏡を通すことで、嘔吐反射を起こす舌根部へ触れなくなるので患者さまの嘔吐感が減り、楽に検査ができるようになりました。
スコープの細さは5mm程度のため、鼻に何らかの疾患を抱えている状態ではない限り、楽に内視鏡検査を受けることができます。
「それでも内視鏡検査が怖い」とお悩みの方には、鎮静剤を静脈注射してからの内視鏡検査をお勧めします。熟睡している間に検査を進めていくので、心身ともに負担を感じずに検査を済ませられます。
最新の内視鏡システム
当院では、富士フィルム社製の内視鏡「ELUXEO7000(エルクセオ)」を用いて、内視鏡検査を行います。 この内視鏡は、白色光照明を得るための「白色光用レーザー」と、「BLI用レーザー」の2波長レーザー光源が搭載されています。この2つのレーザーを活用することで、粘膜の細かい特徴をとらえられたり、血管や表面構造の高コントラスト画像を得られたりします。 ELUXEO7000(エルクセオ)の最大の特徴は、この2つのレーザーの発光強度比を変えることによって、観察タイプの切り替えができるところです。
BLI(Blue LASER Imaging)という独自の画像処理技術を用いて、高コントラストな画像処理を行うことによって、血管や表面構造が観察しやすい画像表示ができるようになっています。 また、LCI(Linked Color Imaging)画像は、赤みを帯びた部分をより赤く映し、白い部分の白色をより強調する機能を持つので、粘膜の炎症具合の観察もスムーズにできます。 また、当院ではELUXEO7000(エルクセオ)だけではなく、症状の細かい部分まで映せる大型高精細モニターも取り入れています。
解像度が高いため、粘膜の微細な色調変化や状態をしっかり観察できます。検査環境によって映り込み、反射などが発生してしまっても、画面補正機能を備えているので安心かつスムーズに観察できます。速やかに検査が進行できるので、患者さまの負担や検査にかかる時間を減らすことが可能です。
高精度の内視鏡システムを導入
当院では、富士フィルム社製の内視鏡『ELUXEO7000(エルクセオ)』を導入しているので、鮮明な画像処理で小さな病変も迅速に発見していきます。正確な画像処理も可能なので胃がんの早期発見も可能です。
異変を見つけやすくするため
大型の高性能モニターを使用
当院では、症状を細かく観察できる大型ハイビジョンモニターを使っています。このモニターは高解像度のため、粘膜の微細な変化や様子をじっくり観察できます。
また、検査環境が原因で映り込みや反射などが起きてしまっても、表示機能を補正していくので、的確な観察・診断が可能です。スムーズに検査が進みますので、患者さまの負担がなくなるだけではなく、検査にかかる時間も減らせます。
検査機器の徹底した洗浄・消毒
当院では、学会が定めた「消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドライン」に沿った洗浄、消毒、滅菌を徹底しています。
鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査
鎮静剤を投与することで、熟睡した状態での検査をお勧めします(鎮静法)。 当院の院長は、日本消化器内視鏡学会の専門医、指導医、かつ学術評議員であり、豊富な内視鏡検査、手術の実績や指導経験があります。豊富な経験を活かし、患者さまの負担を最小限に抑えた治療を行っていきます。
土曜の胃カメラ(胃内視鏡)検査も可能
平日、お仕事などで都合がつかない方も、土曜日に胃カメラをうけていただくことが可能です。いままで都合がつかず検査を受けることができなかった方も、是非、ご検討ください。
検査終了後はストレッチャーでそのまま移動
検査終了後は、起き上がることなくストレッチャーで寝たまま移動することが可能です。鎮静剤を使用して検査を行ったお身体への負担を和らげることができます。
胃カメラが必要なケース
特に初期胃がんの場合は、自覚症状がありません。自覚症状がない分、早期発見・早期治療を心がける必要があるので、年に1回ほどの定期受診をお勧めします。胃がんは早期発見できれば、完治できる疾患です。 状態を目視で観察できる胃内視鏡は、ポリープや潰瘍・がんの早期発見・早期治療において欠かせないものです。
加えて、十二指腸潰瘍・がんや食道がん、咽頭がん、喉頭がんなどの早期発見にも役立ちます。生検(一部の組織を採取して検査すること)なども可能なので、がんの早期発見に効果的です。 特にがんの発症リスクが上昇する40歳以降の方は、胃内視鏡検査の定期受診を推奨します。
- 胃痛が治らない
- 食欲が最近落ちた
- 胃もたれ、胸焼けが続いている
- 最近、ピロリ菌検査で陽性反応が出た
といった症状が出ている場合は、早急に胃内視鏡検査を受診してください。
胃カメラ(胃内視鏡)で発見される疾患
胃や十二指腸の病気
- 胃がん
(早期胃がん、進行性、スキルス胃がん) - 十二指腸がん
- 胃MALTリンパ腫
(表層型、隆起型など) - 胃腺腫、ポリープ
(胃底腺、過形成、十二指腸など) - 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
- 胃炎(急性、慢性)
- 胃粘膜下腫瘍
- 胃静脈瘤
- 胃憩室症
- 胃アニサキス症
食道やのどの病気
- 食道がん
- 逆流性食道炎
- 食道カンジダ症
- 食道裂孔ヘルニア
- 食道乳頭腫
- 食道静脈瘤
- 食道粘膜下腫瘍
- 食道異物(誤飲、食物のつかえなど)
- 咽頭がん
内視鏡検査で悪性の腫瘍が発見された場合(疑いがある場合)には、組織を採取する生検を行い、疾患を特定していきます。
胃内視鏡検査の流れ
検査予約
診察にお越しいただき、胃カメラの予約をおとりいただきます。(胃がん検診の方はお電話での予約も可能です。)
検査前日
夕食は21時までにすませてください。飲水に制限はありませんので、積極的に水分摂取をして脱水に注意してください。アルコールは控えてください。いつものお薬は通常どおり内服してください。
検査当日
朝食は食べないでください。検査の2時間前までは水やお茶のみ飲水可能です(コーヒー、ジュース、牛乳など透明でないものは控えてください)。いつものお薬は事前の指示に従って内服してください。
鎮静薬を使用される方は検査後、自転車、バイク、自動車などご自身での運転はできなくなるのでご注意ください。ご来院の際は楽な服装でお越しください。また、検査予約時間の15分前には来院してください。
検査前
検査前に改めて問診を確認します。胃の泡を抑えて胃をきれいにする薬を飲んでいただきます。その後、鼻からの方は鼻に、口からの方は口にスプレーでのどの麻酔をします。鎮静薬をご希望の方は点滴をします。
検査後
鎮静薬を使用した方は1~2時間は院内でお休みいただきます。検査後の説明をきいてからご帰宅となります。のどの麻酔が切れるまでは、うまく飲み込むことができず、むせやすくなっています。検査後1時間以上たったら、少量の水分から再開してください。
飲水再開後は食事可能ですが、検査中に生検し組織採取をおこなった方は当日、刺激物やアルコールを控えてください。また激しい運動や入浴も控えていただきます。
胃内視鏡検査の費用
1割負担 | 3割負担 | |
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胃カメラ検査のみ | 約1,300円 | 約3,900円 |
胃カメラ+病理組織検査 | 約2,700-4,000円 | 約8,000-12,000円 |
※検査費用は概算となります。検査内容、診断結果により多少前後することがあります
胃カメラの予約について
胃カメラは原則予約制になります。ご希望の日程などあれば、事前にお電話で日程調整を承ることもできますので、お気軽にお問い合わせください。受診日当日の検査についても可能な限り対応いたしますが、その日の検査状況によってはお受けできないこともありますのでご了承ください。