糖尿病とは
糖尿病の3大合併症は、神経障害、網膜症、腎症です。また動脈硬化が進行することにより脳梗塞、心筋梗塞などおこすこともあるので注意が必要です。近年では糖尿病が様々な癌や認知症を引き起こすリスクの一つであることもわかってきています。
1型糖尿病と2型糖尿病
糖尿病にはインスリンをつくる膵臓の細胞が障害されることで起こる1型糖尿病と、遺伝や食べ過ぎ、運動不足、肥満などの生活習慣によりインスリンをつくる膵臓の働きが弱まったり、インスリンの働きを阻害する物質が体内にたまったりすることによって発症する2型糖尿病があります。糖尿病全体の約5%が1型糖尿病といわれています。
その他の糖尿病
妊娠中は胎盤から分泌されるホルモンの影響でインスリンが効きにくくなり、高血糖を生じやすくなります。また何らかの疾患の治療にあたり、ステロイド投与をされると血糖値が上昇します。ステロイドホルモンを過剰に産生してしまうクッシング症候群や、血圧や血糖を上昇させてしますカテコラミンを過剰に産生してしまう褐色細胞腫などの病気でも高血糖を呈することがあります。
糖尿病の診断
- 空腹時血糖値≧126mg/dl
- 75g糖負荷試験2時間値≧200mg/dl
- 随時血糖値≧200mg/dl
のいずれかが、別の日に行った検査で2回以上確認できれば糖尿病と診断します。1回の検査だけの場合には糖尿病型とよびます。糖尿病型で①糖尿病の典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)の存在、②HbA1c≧6.5%、③確実な糖尿病網膜症の存在のいずれかの条件が満たす場合は、1回だけの検査でも糖尿病と診断します。空腹時血糖値が110-125mg/dlは境界型糖尿病(糖尿病予備群)であり、糖尿病の診断にはなりませんが、動脈硬化や認知症のリスクは境界型糖尿病の段階から高まっているといわれており、注意が必要です。
※HbA1c・・・採血前1~2ヶ月間の血糖値の平均を表します。正常は5.5%以下です。
当院では血糖値、HbA1c検査結果を検査当日にお伝えすることが可能です。

グルコース分析装置 ポケットケム BG PG-7320(血糖値)を測定します。

臨床化学分析装置 CHM-4100 セルタックケミ(HbA1c)を測定します。
糖尿病の症状
また、糖尿病は動脈硬化の原因となり、脳卒中や心筋梗塞を引き起こします。1型糖尿病も上記のような症状が出ますが、多くの例で病状は急速に進行します。
糖尿病の治療
2型糖尿病ではまずは生活習慣の改善をおこないます。生活習慣の改善により、内臓脂肪型肥満が改善されると、インスリンの働きがよくなり、血糖値も改善します。生活習慣の改善のみで改善しないときには血糖値を下げる薬を内服します。内服の効果が十分にない2型糖尿病の方や1型糖尿病の方は注射剤でインスリンを投与するインスリン治療をおこないます。
食事療法
運動療法
また、肥満の解消、加齢や運動不足による筋肉の衰えを防ぐこともでき、骨粗鬆症の予防にも有効といわれています。人によっては運動が病状を悪化させるため、医師の指示に従い自分にあったものをおこないます。
薬物療法
注射剤にはインスリン製剤とインスリンの分泌を促進する薬があります。これらを病態によってひとつ、あるいは複数併用して治療にあたっていきます。
低血糖とは?
手足の力が入らない・だるい/物がぼやけてみえる/どきどきする/手足のふるえ/ひや汗/頭痛/おこりっぽくなる/ろれつが回らない/意識障害/昏睡など様々な症状が出現します。低血糖の予防は食事を抜かず、なるべくいつも同じ時間に食べることです。また低血糖症状がでたときにはすぐにブドウ糖や砂糖をとるようにしてください。